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2026年10月10日
3ー212 新幹線の海外輸出
台湾の高速鉄道では、日本から輸出された700系そっくりの電車が走り、新しい形式に置き換えていくためにN700Sそっくりの車両の輸出も始まりました。
それに続いて、インドでも東北新幹線に導入予定のE10系そっくりの電車が走りはじめるのかと思いましたが、そうはいかないようです。
インド高速鉄道は、2015年に協力覚書が署名され、その後、円借款貸付契約が結ばれました。調達条件は日本タイド(入札を日本企業に限定)なので、日本の新幹線の
ような設備が建設され、日本の新幹線のような電車が走る予定でした。しかし建設コストが2倍程度に高騰し、増加分についての円借款供与の予定がないため、インド政府の
予算で進めることになりました。インド政府の予算で調達する分については、日本タイドの縛りはないので、先行導入車両の名目で、インド国内のメーカーに発注しました。
さらに信号システム調達メーカー選定の入札を行い、シーメンスの企業連合が受注し、欧州列車制御システム(ETCS)レベル2に基づく信号および列車制御技術の導入が
決まりました。日本の新幹線のE10系の電車が走るためには、DS−ATC(デジタルATC)の保安システムである必要があり、互換性はないので、
日本の新幹線そっくりの電車が走ることはなくなりました。
以前にインドネシアの高速鉄道に、日本の新幹線のシステムが導入される前提で調査が進められていたのに、最終的に中国の高速鉄道が導入されたことがありましたが、
新幹線の海外輸出は台湾を除いて実現していません。
日本の鉄道の海外輸出は進んでいないということではありません。山口県下松市の工場からイギリスに向けて高速鉄道の車両が輸出される様子がニュースになりましたが、
その他にもヨーロッパの工場で組み立てられた日本製の高速鉄道の車両が、イタリアやフランスで運行されています。
新幹線の海外輸出が進まない理由のひとつが日本の新幹線がガラパゴスだからです。中国の高速鉄道も日本の新幹線の技術をパクリましたが、信号システムは、
欧州列車制御システム(ETCS)の技術をパクッタもので日本のシステムと互換性はありません。東南アジアの国のなかには、中国のシステムと互換性のあるシステムに
したいという意向があります。インドにも将来トルコなどを経由してヨーロッパの鉄道と接続する可能性があります。オーストラリアは陸続きの国が無いので、
新幹線方式でよいかというと、価格の高さが障害になります。人口密度の関係で、日本ほどの輸送密度にはならないので、日本の新幹線はオーバースペックになります。
台湾高速鉄道は、現在では山陽新幹線や東北新幹線程の輸送密度なので、新幹線技術を取り入れたことが結果オーライになりました。
日本の新幹線はガラパゴスだから世界標準に合わせたほうが良いかというと、そうはいきません。東海道新幹線は、山陽新幹線と東北新幹線程を足し合わせたほどの輸送密度
になります。中央リニア新幹線が完成するまでは、ガラパゴスでも高価格でも、需要を満たす必要があります。3分間隔の正確な運転を支える技術として、
信号システムやブレーキシステムが話題になりますが、加速が良いのも新幹線の特徴です。新横浜駅などで内側のホームから出発する電車を見ていると、
通勤電車より速いように感じますが、それは実際に速度が速いからです。地下鉄や京急や阪神電車は加速が良いことで有名です。しかし、電車の編成が短いので、
16両編成の新幹線の電車がホームから離れるときの速度のほうが速いです。例えば、8両編成の通勤電車の起動加速度が、4km/h/secだとして、
16両編成の新幹線の起動加速度が、2.6km/h/secとして、最後尾の車両がホームを離れるときの速度を計算すると、8両編成の通勤電車が、20秒後に
発車から233.3メートル移動した時の速度が80km/hです。16両編成の新幹線の電車が35秒後に発車から455メートル移動した時の速度が91km/hです。
東京・品川・新横浜と停まるためには必要な技術ですが、オーストラリアには必要ありません。
新幹線の海外輸出のプロジェクトを組んで、苦労の末に台湾への輸出が大成功だったとしても、同じことを各国への輸出に拡大することが正解とは限りません。
鉄道の海外輸出は、通勤電車の車両の輸出や運行管理のノウハウの輸出あるいは高速鉄道の車両の輸出などに方針を変更し、インドネシアの高速鉄道の輸出失敗の
経験は、将来のリニモの海外輸出の際の検討事項とするなど、あらゆる可能性を排除することなくプロジェクトを進める必要があります。
リニモは新しい技術で建設が環境に与える影響など検討事項は多くあります。しかし3分おきに新幹線が走る沿線や、空港の近くでは、騒音対策が進んだとはいえ、
相当な騒音が朝から夜まで続きます。地下に潜ってくれれば静かになるのは事実です。中央リニア新幹線の建設とあわせて、将来の海外展開も含めて
検討するに値する技術です。
鉄道では海外輸出は話題になりますが、完成車両の輸入は少ないのであまり話題になりませんが、部品レベルではそれなりにあります。保線用のレール研削車などでは、
海外のメーカーから車両を輸入しています。また低床式LRTでは完成車や部品の輸入があります。そして、JR東日本の新幹線のブレーキの部品も
ドイツのクノールブレムゼ社から輸入していますが、そのクノールブレムゼ社が日本に生産拠点の工場を作って、アジアへの輸出の拠点にするという
計画を発表しました。日本の鉄道会社での使用も増えるかもしれません。
日本国内の整備新幹線の計画も、北海道新幹線と北陸新幹線で終わりではなく、検討の話はたびたび登場します。人口減少社会になって、1970年代に決定した、
整備新幹線の計画は一度白紙にして見直すべきでなないかという考え方もあります。一方で個々の事例をみると利便性が向上するものがあります。
一例として四国新幹線をみてみます。岡山と香川の間の瀬戸大橋線を経由して山陽新幹線から分岐した新幹線で、四国の各県を結ぶという計画です。
瀬戸大橋は初めから新幹線の線路を設置することができるようになっています。大阪〜松山間でみると、現在は鉄道では、岡山で乗り換えで、4時間位かかります。
バスは数時間かかり、基本は夜行バスです。飛行機だと飛行時間は45分ですが、大阪駅から松山駅でみると意外と時間がかかり、2時間30分くらいです。
四国新幹線ができると直通で1時間30分位になります。利用者がどのくらいになるかの検討も必要ですが、仮に新幹線が完成しても、高知から新幹線で松山に
いくのはそれ程便利にはならないことも検討すべきです。四国新幹線に限らないのですが、新幹線や高速バスがあって、東京や大阪にいくのは便利でも、
公共交通機関で隣の町に行こうとすると日に数便しかないという地域がたくさんあります。それから、仮に松山まで新幹線ができると、現在の予讃線が平行在来線になって、
経営のために地方自治体の負担が発生するかもしれないということも考慮する必要があります。20世紀に新幹線の建設が大きな経済効果を生むんだとしても、
同じ考え方が21世紀にも通用するかどうかは別です。しかし整備新幹線の建設を現状でやめると、地域の経済規模の差が将来さらに拡大するかもしれません。
建設を続けるにしてもやめるにしても、整備新幹線の計画の実施方法にとどまらず、公共交通全体の位置づけの観点で議論する必要があります。
新幹線の海外輸出の話は、いろいろなアプローチも考慮するほうが良いのではという話ですが、次に取り上げる中部電力・浜岡原子力発電所の件は、
データーに不正があったのでそれを正すにとどまらず、3号機から5号機までの再稼働計画を見直し、浜岡原子力発電所を廃炉にするべきだと私は思います。
中部電力株式会社の 第102期(2025/04/01 ‐ 2026/03/31)有価証券報告書によると、原子力発電設備の資産価額は、連結貸借対照表
では、824億86百万円 個別の財務諸表では、846億60百万円なので細かい話は置いておいて、820億円程です。一方、水力発電設備は、3,000億円位
です。火力発電設備はありません。株式会社JERAが、東京電力フュエル&パワーと中部電力が各々50%の出資した会社で、中部電力株式会社の持分法適用関連会社で、
中部電力管内の火力発電を行っているので、中部電力株式会社の連結貸借対照表に、火力発電設備は計上されません。まず浜岡原子力発電所について、
中部電力株式会社の経営面から検討してみます。連結貸借対照表の総資産額は、7兆6千億円位で、当期純利益が2、348億4900万円です。仮に浜岡原子力発電所を廃炉にして
一度に減損損失を計上しても会社が経営破綻するような状況ではありません。2025年度末に比べて、2026年度末の原子力発電設備の資産価額が27億2200万円
減少しています。これが減価償却費だとして、この先およそ30年使う予定だと推定します。仮に原子力発電設備を発電に使って、利益率7%とすると、毎年の利益が60億円
増えます。将来キャッシュインフローを割引率4%で割り引くと、30年のトータルでおよそ1,000億円です。こちらも会社の経営状態に重大な影響を与えるほどの
数字ではありません。直接の問題は地震の想定に関するデータを改ざんかもしれませんが、浜岡原子力発電所の再稼働の計画を変更するという従来とは異なる決定を
下せない経営層のトップに本質的な問題があると感じます。再生可能エネルギーのうち、とくに太陽光発電は、曇ってくると急速に発電量が減少します。それを補うために
すぐに発電するというと、立ち上がりが早いのは水力ですが、発電可能な量を考慮する必要があり、現実的には、蒸気タービンにくらべて立ち上がりが早いガスタービンの
発電が使われます。LNG燃料などを使うガスタービン発電は、CO2の排出量が少なく、さらに日本のガスタービン発電は、排ガスを使ってさらに発電するハイブリッド式など
優秀なものが多く、優等生です。ただ優等生にも弱みがあって、部分負荷の時に低速で回転させるなど、定格運転で無い時の効率がよくありません。太陽光の発電量が下がって
少しガスタービンで補うと、発電量に対する、CO2の排出量などの指標が良くなく、太陽光発電を一旦止めて、全部ガスタービンで発電するほうが効率が良かったりします。
今のところ完璧な回答はないのかもしれませんが、発電量が一定の原子力発電所を動かし続けるのが良いというのはどうしても納得できません。
地震の想定に関するデータの改ざんに関しても、地震がいつ発生するかは現在の技術では予測できないというのは繰り返し聞く状況で、最大の地震の大きさは予測可能という
根底の考え方が納得できません。太陽光発電など再生可能エネルギーを中心にして、発電量に余剰がでた際は、水素として蓄え、発電量が不足する際は、水素燃料で動く
内燃機関で発電して補うなども含めて、将来の電力事情について、専門家だけの閉じた議論ではなく、素人が聞いても納得できるようなオープンな議論をすべきです。
以前JICAのODAの仕事をした事があります。チームリーダーの人は、精密測定の専門家で、まったくITの知識がない人で、何のためにこのプロジェクトに
参加しているのかと思っていたのですが、オープンセミナーを開いた時、測定器のキャリブレーションの話をされました。1メートルの基準が人によって変わると、
大混乱が起きる、1メートルが1メートルだと保証されることがいかに経済活動に重要かを話されました。当たり前ともいえることなのですが、
そのひとが話されると、すごく納得できる内容の話でさすが専門家だと思いました。その後、会計ソフトの仕事をすることになり、会計や経理の人と話す機会が増えました。
そこでなぜインフレ・レートが2%から4%になるのが理想なのかを多くの人に聞いてみました。質問の根底には、インフレもデフレもない世界でお金の時間価値を
考える必要がなく、1ドルが150円などの固定相場で、基準日や期中平均レートや為替予約などが必要ない世界になると、会計処理が随分簡単になるだろうと
いうのが、考え方の出発点で、特に経済学的考察に基づくものではありませんでした。1ドル360円の固定相場が終了した時経済に大混乱が発生したという話は
よく聞いていたので、日々の状況に応じた変動相場のほうが優れているのだろうということは何となく理解できましたが、2000年頃に、
インフレ・レートが2%から4%になるのが理想なのかを聞いていた頃には、先進国ではデフレが続くことはないという回答を多く聞きました。しかし実際は
日本では30年間デフレが続きました。デフレになると、設備投資しなくなるからまずいというのは納得できるのですが、インフレもデフレもない世界がそんなにまずいのかは
未だに納得できていません。また、経済は動いているから、インフレもデフレもない世界は存在しないという人もいましたが、インフレの時代も、デフレの時代もあったので、
インフレでもデフレでもない世界が絶対存在しないとはいえないのではないかと思っています。また、高市内閣では「まず経済成長をさせなければ財政健全化はできない」という考え方を
基本方針として掲げています。そして経済成長とは、一国の経済規模が拡大することで、その度合いを測る指標として、一般的にGDP(国内総生産)が使われますが、
今の日本のような人口減少社会でも、一人あたりGDPではなく、GDPが増加しなければならないのかも疑問です。1960年頃の高度経済成長の時代では、社会インフラが
不足していたので、GDPの増加で多くの人が幸福を感ずることに繋がったのでしょうが、経済の成長率が低くなったとはいえ、名目のGDPでも実質のGDPでも
現在は、日本の歴史のなかでほぼ最高値です。そして格差が広がってそれほど多くの人が幸福を感ずることはなくなりました。とにかく経済成長が是で、疑いを持たず
そのための手段を考えるというのは、常に強い快感を求めるドパガキの発想ではないかと思っています。
『「強く豊かな日本」投資枠』には重要な項目が多く含まれるのでしょうが、全体の発想が昭和の高度経済成長の頃の発想に見えます。
北海道など、利用者が低迷しているJRの路線について、昭和の時代のような学生が沢山利用していた時代に戻すと言っても不可能です。鉄道を廃止して
バス転換するというような決まりきった発想ではなく、住んでいる人の移動の自由を保証するという原点にもどって「どこでもドア」の開発など、
自由な発想で考える必要があります。インバウンドの観光客が利用する特急が走る路線にするというのは、鉄道を存続させるわりと現実的な手段です。
これからの20年間位を考えると、日本は、人口減少社会で、仮に出生者が増加傾向になるとしても、労働人口はすぐには増えません。
高度な技術をもつ人や留学生は積極的に招聘するとしても、安価な労働者として外国人を数多く入国させるべきではありません。結果的に社会的負担が
高額になることは諸外国に多くの例があります。北海道の鉄道でいえば、利用者が極度に少ない線区の問題について結論の出ない議論を続ける一方で、
千歳線のように、混んでいるところの写真だけ見ると、複々線化が必要と思われる線区の増強の議論がなかなか進まない状況を改善することが必要です。
運行管理の技術が進んでいるので部分的な複々線化でも大きな効果が期待されます。
こちらは需要の拡大が見込まれる事例ですが、成田空港ではインバウンドの観光客の増加に伴い拡張工事が進んでいます。それに伴い、鉄道の整備計画もあります。
そのひとつで、成田空港の1978年の開業にあわせて建設された京成の成田空港駅の再利用が進んでいます。当時は駅からシャトルバスに乗って空港ターミナル
まで移動していました。1991年になって成田新幹線の計画で建設された成田空港駅を利用して京成とJRの乗り入れが始まり、それまでの京成の成田空港駅
は東成田駅になりました。たまに電車が走るひっそりとした駅ですが、今回成田空港の拡張計画と新ターミナルの建設計画に伴い、東成田駅が京成の成田空港駅として
新ターミナルまで歩いて移動できる状態となり復活することになりました。1978年の時点で大きな駅だったことも再利用にあたり活用できます。
そしてとなりの芝山千代田駅もひっそりした駅ですが、ひと駅で京成の成田空港駅にアクセスできるようになるので、パークアンドライドの基地として、
地元の人の通勤利用にも活用して欲しいところです。1970年代の成田新幹線計画は沿線住民の騒音問題への懸念で建設中断になったのですが、
当時の国鉄は最初から建設に反対でした。理由は在来線と独立した東京駅と成田空港間の新幹線を作っても収益性に問題あるからというものでした。
成田空港に関連する鉄道の歴史には、これからの各地の鉄道の建設や存続に関連する多くの示唆があります。
トランプ大統領は、 AI開発を制御するガードレール(規制)は不要であり、必要なのは「強くて聡明で、IQの高い大統領だ」と言いました。それを聞いて、
自分がアメリカの大統領であってはいけないといっているのかと思い、めずらしいことを言うと思ったのですが、私の言葉の解釈の能力に問題があったようです。
東海道新幹線のJR東海の車両は、J1やJ51のような編成の番号が奇数の車両は東京交番検査車両所で管理され、J12やJ54のような偶数の車両は、
大阪交番検査車両所で管理されています。ところがJ44の編成は東京交番検査車両所で管理されています。9号車の窓が防弾ガラスになっているのかと思っていたのですが、
AI検索によると、ドクターイエローの引退に伴い導入される営業車検測機能搭載N700S(通称:ドクターS)の存在と関係があるそうです。
J60〜J62、J64の編成がドクターSです。現在J61を制作中なので、まだどうなるかわかりませんが、近いうちにわかりそうです。
このような細かな計画では、日本は”さすが”ということが多いです。しかし原発政策のような大きな計画では、どうなっているのかわからないということが多くあります。
もっとよくないのは、一部の人だけがわかっていて、大きな計画は伏せておいて、見せかけの細かな計画を粛々と進めて、皆が気づいた時には、
予期しなかったことが起こっているという状態です。与党一強の時代でも、内容的に、皆が納得するような議論が野党に期待されます。
税制の原則は、「公平・中立・簡素」です。最近、ビール系飲料の税率の統一でよく話題になります。そのなかの簡素とは、 税の仕組みや手続きがわかりやすく、
納税者や徴税側(国や自治体)の負担やコストが少ない原則です。徴税費が最小となるよう努力すべきことです。
それなら、所得税の徴収額を減額する税額控除のほうが、徴収して給付する所得連動型給付制度より、納税者や徴税側(国や自治体)の負担やコストが少ない
ことは明らかです。税額控除の実施にはさらに詳細な所得の把握が必要と言うのは、所得連動型給付なら、国民健康保険料の支払を脱法的に免れた
一部の政治家のように、不当に給付を受ける人がいてもかまわないということにつながらないように、透明性を確保した行政手続きが必要です。