各種のコラム -- 3ー204 円安で日本経済は再生するか?
2026年7月10日
3ー204 円安で日本経済は再生するか?
最近円安が進んでいます。輸入品の価格が上がって生活が大変だという声がある一方、円安で輸出が増えGDPが増大し、日本経済は再生するという声もあります。
円安で、輸出が増大するという人が言うのが、近隣窮乏化で、周りの国より通貨が安ければ、相手国の企業より安い価格で、製品を供給できるので、
相手国の産業が圧迫され、通貨が安い輸出側の国のGDPが増大し、経済が活性化するという考え方です。1970年代の円安の時代は、米国などに安い製品を輸出することで、
日本は高度経済成長を遂げました。現在の円安で同じことが起きるかと言うと、統計的に正しい部分も多いのでしょうが、私は疑問を持っています。
理由は3つで、人口減少と高齢化が進む現在の日本で、1970年代のようなGDPの増加と高度経済成長を達成できるのか?
中国の人民元が人民元安水準のままなので、中国への輸出の増大があまり期待できない。
IT産業で米中の後塵を拝している状態は、IT業界の業績だけでなく、あらゆる業界の競争力の低下を招く。
の3つです。
はじめの2つは、統計的に議論を進める必要がありますが、私はよくわからないので、ここでは議論しません。ひとつだけ言いたいのは、トランプ大統領が、
就任当時は1985年のプラザ合意並に強力に、人民元高・米ドル安政策を進めるかと思いましたが、ジャイアンと同じで、のび太やスネ夫には強くても、
隣町の中学生には弱いので、人民元高は進みません。中国は米国と違って、日本が強い分野も強いので、半導体製造装置なども、日本に追いついてくる
可能性があります。ここでは、3番めのIT産業について、自分の経験と考え方で議論します。統計的な議論ではないので、予測はあたらないと思いますが、
分野を問わず私の予測はあたらないことが多いので、このような見方もあるという観点で議論を進めます。
最近は、Codexを使ってプログラミングしてます。非常に便利です。私は、IT業界で仕事をしていましたが、ソフトウェアーの開発部門で仕事をしたことは
ありません。プログラミングは下手です。私の意見もまわりの人の意見も一致しています。ソフトウェアーの開発部門で仕事をした人なら誰でも知っている、
例外処理を組み込むとか、メモリーを保護するなどがよくわかっていないし、そもそもコードがぐちゃぐちゃになります。Pythonなら、インデントの
規定があるので、誰が書いても美しいコードになるといいますが、私は例外です。しかし、そのような中級のプログラマーが持っているような知識は、
Codexを使えばいっさい不要です。やりたいことを日本語で書くだけで、Codexがエラーのないコードを書いて、テストまでしてくれます。
また、Androidのプログラミングは従来はよくわからない(個人の意見です)Javaでコーディングしてビルドしていたのですが、最近は
Pydroid 3を使って、Pythonでコーディングしています。このような便利なツールが備わってくると、日本でもIT産業が復活するかと言うと
そうともいえません。IT業界以外の人が、いろいろなツールを使ってAIを業務にとりいれるなどの明るい話題も多く有りますが、
ソフトウェアーエンジニアは、CodexやClaude Codeを使うことを前提とした生産性を要求される時代になると、ストレスになるかもしれません。
さらに、生成AIが生成AIを開発するような新しい考え方に日本人がついていけるかどうかも問題になります。生成AIが生成AIを開発するのは、
自律型の兵器の開発などは倫理的に抑止しなければならない面がある一方で、驚異的な生産性の向上が期待できる面もあります。その時、
日本人は以前にエクセル方眼紙が話題になったように、何が何でも人間が生成AIを制御しようとして、悪いとこ取りに陥るかもしれません。また、
IT業界の多重下請けのしくみを維持したまま、Codexなどのツールをとりいれると、受け取った仕様書をツールに読ませて、出来上がった
コードをそのまま納品するような仕事のやり方が広まるかもしれません。モジュールとしてはエラーがなく、仕様書通りに動きますが、
仕様書の齟齬で、全体としては期待通り稼働せず、だれの責任かもわからないという状態になるリスクがあります。生成AIをシステム開発に取り入れる
ことで、従来なら3ヶ月かかっていたものを1週間で完成させたという定番のニュースが増えると思いますが、その基本となる技術はアメリカの技術
であることがほとんどです。海外の技術をおおいに生産性向上に活かすべきですが、安全保障や重要インフラにかかわる業界ではとくに、それが
国産の技術ではないことを肝に命ずるべきです。
1970年代の高度経済成長に大きく貢献したのが自動車産業です。ライン生産方式という、ゆっくり動いてくる車に多くの作業者が順番に部品を取り付けて
いく方式が広く使われました。ライン生産はもともとT型フォードの製造のためにアメリカで導入された革新的な生産システムですが、第二次世界大戦後、日本に
取り入れられると、まじめで手作業が器用な日本人にピッタリのシステムでした。マラソンや駅伝が好きで責任感が強い日本人の性格もライン生産方式に向いており、
決められた事を行うだけの製造現場の労働者が改善活動を通じて会社の経営改善に取り組むのもアメリカ人には驚きでした。自動車産業は輸出の中心で、
貿易摩擦も産みました。1990年代には、アメリカとの貿易摩擦をおそれた当時の通商産業省を中心に、半導体やIT産業では貿易摩擦を生み出さないように
アメリカの技術を受け入れるという政策が取られました。この政策が、現在までIT産業で米中の後塵を拝している状態を作り出しています。1990年代に
アメリカ出張の時、UNIXワークステーションなどを見て感じましたが、日本のIT産業のレベルはDRAMメモリーの生産以外は、貿易摩擦を生むほどの
実力ではありませんでした。2000年代になって、e−Japan戦略が進められましたが、失敗に終わりました。政策がダメなだけでなく、日本人は
IT技術を勘違いしていると感じました。1990年代にIT技術は指先の技術だが、もっと実体験をつむことが大切だと言った人が居ましたが、言葉の
問題だけでなく、IT技術は指先の技術ではなく、頭の技術だということが理解されていませんでした。若い人はIT技術が得意だと言って、カナ漢変換やフリック入力
の話をしている人も、発想は同じです。2020年になって、デジタル庁ができて、政策的にも流れが変わりましたが、まだ、とても米中に追いつくレベルには
なっていません。与野党の垣根を超えてIT技術を推進するための政策の立案・発表が期待されます。行政事務標準文字の導入など地味で目立たないけれど重要なことが
着実に前進するようになってきています。日本語には外字とよばれる、システムのフォントでは表示できないことがある文字がたくさんあります。これを標準化して、
行政で使う文字を標準化する活動です。表示できなくて黒丸になると、証明書としての機能を失うおそれがありますが、影響はそれだけにとどまりません。
受け取り側で読めない文字がありますといって、親切でフォントを送るのに紛れてウィルスを送るというサイバーテロがあります。また、双方に悪意はないのですが、
使っているフォントの著作権を侵害していることがあります。IT技術を行政などの事務処理に使う時、絶対にさけて通れない項目です。
2008年3月6日の住基ネット最高裁判決で、住基ネットによる情報収集・管理は、適切な安全対策が講じられていればプライバシー権を侵害せず、合憲であると判断されました。
あわせて指摘されたことで、全国の個人情報を国家機関が単一のデータベースで芋づる式に「一元的に把握・管理」することは否定されています。
この判例の趣旨により、特定の主体があらゆる個人情報を自由に突き合わせ(名寄せ)できない仕組みとなっています。この指摘の解釈が正しく行われていないことがあります。
紙の書類をひとつの倉庫に入れて自由に閲覧出来る人や機関があるか、分散して倉庫に保管しているかというアナログの視点で判断してはいけません。
国会議員の人もデジタル庁の職員もIT技術にくわしい人が増えているので、単一のデータベースに保管することと、特定の個人のデーターを集中的に検索する
ことを分けて生成AIの時代の解釈を広めなければなりません。健康保険証の紐づけのミスでは、統一のデーターベースで保証されるデーターインテグリティーの欠如
が発生するとともに、別々のデーターベースで同一の人が特定の機関で集中的に検索されても本人に通知されないことで、プライバシー権侵害のリスクがあります。
21世紀の生成AIの時代のスタンダードを決めるための議論をする必要があります。
LinuxでCodexを使うと、まだGUIのアプリケーションがありません。CLIツールを使いますが、ツールを導入して、codex
とコマンドを打ち込んで、やりたいことを日本語で入力するだけなので、不便はありません。各種のコマンドを使いこなせば、多くのことが出来るのでしょうが、
とりあえずやりたいことを日本語で入力するだけで期待するほとんどの事はできます。日本でアプリの開発会議を開けば、GUIの機能は必須ということになりますが、
GUIのアプリケーションでも、Webのアプリケーションでも、メニュー間の連携が不明で、どうすれば自分がやりたいことが出来るかがわからないアプリケーションが
たくさんあります。ヘルプをみてもサポートデスクに電話しても何のことかわからないのですが、最近はGeminiのAI要約で、適切な回答が得られることが増えて、
なんとか使いこなせるようになりました。GUIのアプリケーションでも、Webのアプリケーションでも、使い勝手が悪いのはマイナポータルに限ったことではありませんが、
Linuxから、マイナポータルにログインできるようにならない限り、日本はIT技術の後進国になるおそれがあります。
最近、「Coreutils for Windows」が一般提供され、 Windowsでも追加導入なしに、 pwd ls cp mv などのコマンドが
使えるようになりましたが、1990年代に ps aux | grep user_id などのコマンドを見て、これからはモバイル機器の時代になって、
そのような技術は不要になると言っていた人は、IT技術がどのように使われどのように進化していくかを理解していない人でした。現在でも多くの人の
意識が変わったとはいえない状況です。
ただし、この先日本がIT技術の後進国になるかどうかは、これからの行動にかかっています。
工場のライン生産方式はアメリカで開発された技術ですが、日本で花開いたといって過言ではありません。
CFD(Computational Fluid Dynamics)も、1970年代1980年代は、計算しても、実験の代わりにはならないという人が
多かったのですが、1990年代から2000年頃にかけて日本でおおいに発展し、2002年にはスーパーコンピューターによる地球シミュレーターが
日本で開発されました。省エネルックは大外れでクールビズは大当たりでクールジャパンは大外れのように、何が社会で広く受け入れられるかは、やってみなければ
わかりません。PayPayのようなQRコード決済も、PayPayが最初ではありません。200%キャッシュバックしてでも、日本一になるという
孫正義さんの意気込みが現在の姿につながりました。なお200%キャッシュバックで”ひとつ”買えば”ふたつ”おまけは景品表示法に触れます。実際は、
20%キャッシュバックになりました。私は留保金課税には反対です。このような思い切った判断は税金を使ってできることではありません。
キオクシアホールディングスの株価が上昇しています。米国の投資ファンドであるベインキャピタルが2018年の東芝メモリ(現キオクシア)買収を主導しました。
日本産業パートナーズ(JIP)などの下で経営再建を進める東芝が再上場できていないのに比べると、世界的なメモリー不足の追い風に乗ったとはいえ大きな違いです。
米国の投資ファンドというとハゲタカファンドという理解を改めるべきかもしれません。キオクシアホールディングスが高速でアクセスできるSSDをNVIDIAと
共同で、開発したことが業績回復の起爆剤ですが、その基礎になったNAND型フラッシュメモリーの技術は1980年代に東芝の舛岡富士夫さんが中心となって
開発した技術です。しかしその技術を、1992年韓国のSamsungに提供してしまいました。その後、舛岡富士夫さんは東芝を退職しました。
当時の日本は、DRAMメモリー全盛だったのですが、21世紀になって、DRAMメモリーのシェアも海外メーカーに奪われました。
菅義偉さんが中心になって推進した、インバウンドとふるさと納税は、現在活況です。インバウンドが提唱された当時の例えば2010年の訪日外国人観光客数は
増加したものの年間で1、000万人の目標には届かなかった言っていた水準だったのですが、現在は、4,000万人を超えています。
菅義偉さんは官房長官としては優秀でも首相としてはイマイチという印象だったのですが、実は首相としてとしても優秀な人だったようです。
高市政権がまとめた日本の成長戦略「戦略17分野」には、量子(量子コンピュータ、量子暗号通信、量子センシング)が含まれてます。
量子コンピュータでは、「コヒーレンス(量子コヒーレンス)」という、量子ビットが「0」と「1」の重ね合わせ状態を維持し、量子としての性質(干渉性)を保ち続けられる
時間の長さがひとつの能力のパラメーターになります。一方量子センシングでは、周囲の状態の変化でディコヒーレンスな状態になることがセンシングの基本です。
常に、ディコヒーレンスな状態では役にたちませんが、(私のことではありません?)周囲の磁気や温度がわずかに変化しても、敏感にディコヒーレンスな状態になるほど
感度の良い優秀なセンサーといえます。台風の進路の観測ができても進路を変えることは出来ないように、量子センシングの技術が、すぐに量子コンピュータに応用
出来るわけではありませんが、次世代MRIが手のひらサイズの小型な機器で、原子レベルのイメージングができるように、各種の活動が
今とはまったく異なる次元のものになる可能性があります。例えば気象観測で、気圧と風速と衛星写真だけでなく観測技術も革新的に進む可能性があります。
衛星写真を見ても、素人が”雲が写っている”と言って見るのと、専門家が見るのでは違うし、ドップラー・レーダーで積乱雲の発生や移動を追跡することも
行われていますが、ダイヤモンド量子センサーは小型なので、旅客機や民間の船に積んで、各地の海面の温度を正確に測定すれば、海面に温度差があって、上昇気流が
発生する元になる場所の継続的な観測が可能になったり、雲の中で、水蒸気が水滴になる様子をひとつひとつ数えられるようになるかもしれないし、渦の様子も
原子ひとつひとつの運動が観測できるようになるかもしれません。そして、観測とシミュレーションと予想が一体となった、現在のスーパーコンピューターによる
数値計算とはまったく異なる概念のものになる可能性もあります。
戦略17分野のなかでも、トップとも言われるのが、AI・半導体ですが、これぞ日本のAIというようなAIの技術を開発することが期待されます。
日本語に強いAI、フィジカルAIも悪くないのですが、トークン処理あたりの電力使用量が10分の1というようなデーターセンターも世界から注目されます。
光技術を使ったCPUや量子コンピュータで遅延がない消費電力10分の1のデーターセンターができれば、リモートアクセスも含めて社会全体に
好影響があります。IT分野に限らず、SDGsにも大きな影響を与えます。なぜかSDGsも17の目標があります。戦略17分野がSDGsの
いくつの目標達成に貢献するかも総合的に考えるべきです。
自動運転の技術も社会全体の影響を考えて企画・開発する必要があります。自動運転の車がロボ・タクシー中心になるのか、自家用車中心に
なるのかで、耐久性など車に要求される性能だけでなく、駐車場の設置など街全体の設計に大きく影響します。過疎地も含めて実用化の実験を幅広く行って、
将来計画を立てるべきです。自動運転の車が現在の車に自動運転の機能を足したものか、ハンドルが無いような人の介入をいっさい想定しないものかも
意外に街全体の設計に大きく影響します。なぜなら、ハンドルが無いような人の介入をいっさい想定しないものなら、前向きにも後ろ向きにも自由に
移動できるので、駐車場で前向き駐車か後ろ向き駐車かを考える必要がないし、狭い道で奥まった場所まではいるような敷地でも、Uターンすることは
考える必要がなく、後ろ向き運転で、広い道まで出ることになんの支障もありません。自動車整備士の不足が問題になる中で、2年毎の車検制度について、
なにも議論しようとしないような社会では、成長戦略にいくら予算を投入してもイノベーションは起きません。1970年代に車の排ガス規制の
法案をつくったのはアメリカでしたが、結局実現不可という結論になったのに対し、日本のメーカーが実現したことが世界進出のひとつのきっかけになりました。
予算の投入は不可欠だとしても、あわせて、日本は何を目指すというような、一見達成できるかどうかわからない目標をかかげることも重要な政治の責任です。
テトリスなどのゲームは生成AIで行うと、人間とは別次元の超高速でプレーできます。eスポーツも同じかと言うと、チームプレー型では、人間を上回る時もあるものの、
一瞬の駆け引きが要求される格闘技型では、まだ人間のほうが上回るそうです。フィジカルAIで関取のロボットを作るような、だれが見ても日本の技術というような
意外性も重要です。自分と対戦することが大相撲の関取の練習になるのかどうかはわかりませんが、部員が少ない高校でも、ひとりでも相撲に興味を
持つ人がいたら、いろいろな練習ができるという観点では役にたつかもしれません。あるいは、運動部とロボット部が共同のプロジェクトを立ち上げるという観点で、
役に立つかもしれません。
”ブラジルは国民の貧富の差が大きく、政争も絶えない。だがサッカーでのみ、国が一丸となれる。” これは、4年前のカタール大会後の森保一監督の言葉ですが、
日本がブラジルのようになるのが良いのか、レアルマドリッドを擁するスペインのようになるのが良いは、サッカー界のみでなく、社会全体で考える必要が
あります。FIFAワールドカップサッカーで優勝経験があるのは前回大会までで8カ国のみで、ブラジルの歴代優勝回数が5回、スペインは1回だけなので、
ブラジル型の社会のほうが良いかもしれませんが、経済再生しようと思ったら、成長戦略をまとめるだけでなく、社会全体について、どのような方向を
めざすかを議論する必要があります。
日本では、IT企業は東京に集中しています。北海道や九州に半導体工場ができていますが、アメリカのシリコンバレーや、中国の深圳のような場所はありません。
20世紀の各地に製造業の工場があった時と比べて、東京都の法人住民税と法人事業税の額が突出しています。法人事業税を地方税から国税にして、人頭割で各地方自治体に
分配することを提案する人がいます。注目すべき提案ですが、、アメリカのシリコンバレーのような国の金融の中心とは異なる場所にIT企業の集積地を
作ることを考えるべきです。アメリカのシリコンバレーがなぜIT企業の集積地になったかというと、サンタクララバレーでシリコン(ケイ素)がとれた
こともありますが、1970年代に自然発生的にベンチャー企業が起業したことが原動力になっています。それ以前からあるIBMの本社はニューヨーク州です。
そして、ベンチャー企業の起業に関わっているのが、スタンフォード大学やカリフォルニア大学バークレー校などの大学です。日本でも、北海道や九州の半導体工場
を一歩進めて、IT企業の集積が生まれるような大学を地方に設置すべきです。国会で、USBの議論をしていたころより、一歩進んだかと言うと、
そうもいえません。週刊誌の暴露音声が本人のものかどうかは、時間をとって”ああでもないこうでもない”と言うようなことではなくて、国政調査権に基づいて、
声紋鑑定をしてすみやかに事実を確認した上で議論すべきです。それよりも、IT企業の集積が生まれるような大学を地方に設置することなどもっと建設的なことを
議論すべきです。それから、IT産業が経済的にどのような産業になるかの分析は、IT業界の業績だけでなく、IT技術ががあらゆる業界の競争力にかかわる
時代において非常に重要です。経済的に2〜4%程度のインフレが理想と聞く度に、IT製品は同じ機能の製品は、劇的に価格が下がる世界なので、
違和感を覚えてきたのですが、昨年後半からのメモリー価格の上昇などIT製品の価格は次第に下がるという常識が通用しなくなっています。
最近、秋葉原の店の通販サイトで時々、数量限定メモリーの安売りの広告が乗るようになったので、1〜2年かかるものの、もとのIT製品の価格は次第に下がる世界になるのか、
IT製品も建設コストの上昇に見るように、インフレの世界に変わるのか、非常に注目です。日本の成長戦略のための最先端技術も重要ですが、
IT業界の業績やトレンドを経済の視点で分析することも、日本経済再生の戦略をたてるために欠かせません。
6月には日銀副総裁と、FRBの新議長の見解がありました。立場の違いも影響したのでしょうが、日銀副総裁の見解は、”うだつが上がらない”というのは、
こういう事を言うのかというような話し方でした。円安などの経済状況が日本経済の成長に大きな影響を与えるのでしょうが、社会全体がもっと”シャキ”としないと、
経済再生は達成できないように感じます。しかし、何年か経ってみると、日銀副総裁も日銀総裁も実は優秀な人だったということになるかもしれないので
安心してかまわないのかもしれません。私は、就職氷河期の前の1980年代に最初の就職をしました。それは本当にラッキーなことでした。
自分の経験と考え方で今回のコラムを書こうと思った動機です。最近の中国や韓国の状況をみると、学業を終えて最初に就職する人は
売り手市場で基本的に自分が希望するところに就職できるということは、失ってからき気づいたのでは遅い、維持すべきことだと思います。