各種のコラム --  3ー174 政治とカネの問題はどうなった?!

                                      2025年8月10日  

    3ー174 政治とカネの問題はどうなった?!
    
    
   自民党の派閥が、政治資金パーティーを裏金づくりに利用していた疑惑で、東京地検特捜部が捜査していたのが、
  2023年の年末です。それから2年近く経っています。
  2024年の衆議院選挙では野党各党がこの問題を指摘しました。東京都議会議員選挙でも話題になりました。
  しかし、7月の参議院選挙では、消費税減税か給付かと違法外国人問題が話題になり、
  政治とカネはほとんど話題になりませんでした。
  予算審議では参議院より衆議院の決議が優越するなど、参議院の存在価値が問われることがあります。
  しかし、今回の選挙結果は重要です。自民党結党以来初めて、衆議院も参議院でも少数与党になり、
  参議院議員の任期は6年なので、3年後の選挙で、自公で78議席確保しないと、過半数が確保できず、
  風向きで一度の選挙で、与党が過半数を確保する可能性のある衆議院と違って、参議院では、6年間ほぼ確実に、
  自公過半数割れの状況が続きます。
  自民党の獲得議席数、39は、1989年の当時の社会党党首が「山が動いた」と言った時の36に次ぐ大敗です。
  当時はリクルート事件などで政治とカネが問題になったのに続く選挙で、
  公職選挙法や政治資金規正法の改正につながり、1993年に自民党が下野して、細川連立政権の成立につながりました。
  これからの6年間でなにが起きるかわかりませんが、政治とカネの問題については、1989年当時は、
  小選挙区制の導入など、各種の改革の動きがあったのに対し、問題の根本的解決がみれれないまま
  30年後に起きた今回の事件では、そもそも改革しようという動きが起きず、皆でごまかそうという流れになりそうです。
  1989年は、当時最大野党だった社会党が大躍進したことで、いろいろな政治改革の話がでましたが、
  今回は、立憲民主党の議席数も伸びなかったこともあって、与野党ともに、「ぐうたらぐうたら」しているという
  印象があります。
  
  ここでは、参議院選挙では、なぜかほとんど話題にならなかった、政治とカネの問題を取り上げます。 
  なかなか進展がない政治とカネの問題で、今年になって、ひとつの改善が見られました。
  「政策推進機構」のサイト「政治資金収支報告書データベース」で政治資金パーティーの寄付金の流れが明らかになりました。
  このサイトで、政治家から探すを選択し、石破茂さんの2023年度の収入と支出の状況を検索してみました。
  収入総額が5、376万円で、内訳は、機関紙の発行その他の事業による収入が、3、001万円で、
  本部又は支部から供与された交付金にかかる収入が、1,250万円、寄付による収入が、1,011万円でした。
  ホテルなどで開催する、石破茂政経懇談会などでの、機関紙の発行が最大の収入源です。
  見たことはないのですが、石破茂さんが主催して発行する機関紙を読みたい人がたくさん居るようです。
  一方支出総額は、5、142万円で、内訳は、経常経費が、3,277万円で、政治活動費が1,865万円でした。
  政治活動費の内訳は、政治資金パーティー開催事業費が、875万円などでした。
  さらに詳細で、飲食代、飲食料などとなっているものを集計すると、481万円でした。
  石破茂さんの年間の食費が、481万円ということではありません。何人で何を食べたかの詳細はでていませんでした。
  そのなかの一枚の領収書に注目しました。政治資金パーティー開催事業費のなかのホテルニューオータニ東京で
  開催されたセミナーの飲食代が、2,441,826円で備考の前年開催收入が22,500,000円でした。
  政治資金パーティーに参加する人は、飲食代の10倍近い会費を払って参加しているのかもしれません。
  あるいは、裏金問題が発生したので、政治資金パーティーの規模を大幅に縮小したのかもしれません。
  
  せっかくの、政治資金収支報告書データベースなので、もっと全体像を見る必要があります。
  そこで、生成AIに、「政治資金収支報告書データーベースを見て各政党別に収益、支出の特徴をまとめてください」
  と聞いてみました。思考時間: 2 ~ 3 秒で、結果は、
  全体の傾向と比較ポイント
  政党	収入源の特徴	支出傾向
  自民党	交付金+寄付+イベント収入の三本柱	イベント・支部移転費中心
  公明党	交付金+会費の安定型	地方活動・人件費重視
  立民	個人/労組寄付+イベント収入	広報・政策事務中心
  維新	会費・地方寄付+パーティー	地方支部活動主導
  国民民主	企業寄付+イベント収入	一部選挙支出・支部支援
  で、さらに各党ごとの詳細な分析を回答してくれました。
  
  この全体の傾向をみると、自民党は議員の数が多いので、やはり交付金の額が多いです。また、
  野党も労組や企業からの寄付金による収入を得ています。
  参議院選挙では、政治とカネの問題が、なぜかほとんど話題にならなかったのは、どの党にとっても
  話題にしないほうが良いというような事情が発生したのでしょうか。
  ここからは完全に個人の感想ですが、
  参議院選挙では、消費税減税か給付かが話題になったのですが、野党も一部を除いてそれほど優勢にならなかったことで、
  どちらも行われないということになるかもしれません。
  国民民主党を中心として、所得税の基礎控除の増額が話題になりましたが、年収106万円の壁の方は、
  社会保険の適用拡大で中小企業の経営者も従業員も社会保険料を支払うことで決着しました。
  政治とカネの問題は、東京地検特捜部が捜査してもあまりスッキリしなかったのですが、
  テレビにでてくる東京国税局の影の調査官ならもっとスッキリ解決したかもしれません。
  政治活動費は非課税なので、税務署が表立って調べることはありません。しかし、政治家に寄付する側の個人や企業や組織は、
  税務調査で調べることがあります。個人の所得税であれば、寄附金控除あるいは政党等寄附金特別控除が正しく適用されているか、
  企業の寄付金の損金算入が正しく規制の範囲内で行われているかの調査は、通常おこなわれる調査の一部です。
  民間でも、政治資金収支報告書データーベースが作成される時代なので、国税局あるいは国税庁も、
  寄付する側の個人や企業や組織のデーターを政治家や政党別に集計しなおして、どの政治家が誰からどれほど
  寄付金を得たかの情報を把握しているかもしれません。もしそのような情報をえているのなら、
  政治家に財務省や国税庁に有利な決定をしてもらうことに利用するのではなく、政治とカネの問題をスッキリさせるために
  使用すべきです。 
  
  もうひとつの改善が期待されるのが、今回はじめて参議院議員に比例で当選した人で、クラウド会計システムを使って
  政治資金を管理して、ダッシュボードを公開するのが良いと言っている人が居ることです。
  政治資金の収支は現金取引や銀行振り込みがほとんどなので、クラウド会計システムを使って
  マルチテナント型のクラウド会計システムで管理するというのは良いアイディアです。
  飛行機に必要となる修理部品の種類と数の統計をとって、各空港に在庫する部品の計画を立てるのであれば、
  管理会計のデーターが必要で、クラウド型の会計システムを使うとしてもシングルテナント型にする必要がありますが、
  政治資金管理は財務会計のデーターだけで可能なので、マルチテナント型のクラウド会計システムで管理するというのは良いアイディアです。
  今回はじめて参議院議員に比例で当選した人は、過去の政治とカネの問題を追求されることはないので、
  ただちに実行可能なはずで、お手本を示してほしいと思います。
  クラウド会計システム自体は、個人の家計簿として利用している人も居るような、無料で使い始めることができるもので、
  ダッシュボードをみると、これは便利だと実感できます。既成政党の人も、実は、政治とカネの問題は
  故意にごまかそうとしていたというより、手書きの帳簿で何が何かわからなくなっていたという人もいるかもしれません。
  「ぐうたらぐうたら」言ってないで、すぐにアカウントを登録して、クラウド会計システムを使って
  ダッシュボードを公開して、政治資金管理の透明性を確保するのが正解です。
  
  トランプ大統領が何か発表するたびに、世界的に大ニュースになります。
  しかし、冷静に考えると、何もしなければ何も問題が起きないともいえます。関税の問題は、そもそもトランプ大統領が
  いなければ、従来の自由貿易主義が維持されて世界中の人が何も困らなかったいえます。
  関税で困るのはアメリカに輸出している国ととらえられますが、関税はアメリカ国民からみると、
  輸入品に対する消費税です。しかも中国などからの雑貨など多くの人が購入する商品に税金をかけているので
  影響は深刻です。開発途上国で輸入品に関税をかけることがありますが、一般的に贅沢品にたいして課税します。
  例えば、車を生産していない国で、輸入車に100%の関税をかけるなどです。日本で200万円程度の車が、400万円
  位になるので、高額所得者しか購入できません。贅沢品を購入する人にたいする課税です。その車が国内で、中古車として
  再び販売される時には課税はありません。一気に200万円になるわけではないので、中古車を購入する一般庶民には
  まったく関税の影響がないということではありませんが、関税の影響は軽減されます。
  しかし、雑貨などに課税すると多くの人に影響がでます。所得税の減税も、そもそも所得税を
  払っていない人には恩恵がなく、高額所得者に大きな恩恵があります。所得税を払っていない人のなかには、
  不法移民で選挙権がない人がかなりいるので、トランプ大統領は選挙に影響がないと考えているのかもしれません。
  ロシアのプーチン大統領も、イスラエルのネタニヤフ首相も、何もしなければ問題が起きないことを行っているように
  見えます。
  それにくらべると、日本の政治家は、災害対策などやったほうが良いことを数多くおこなっているのですが、
  政治とカネの問題の問題のように、国会での審議も含めて、話あったほうが良いことを話し合っているのですが、
  いつまでたっても結論がでません。
  
  地デジの放送に移行したのが、2011年です。それから15年近く経って、テレビ業界は万々歳かというと
  そうではありません。むしろ同じ頃はじまったラジコのほうが、始まった時は地デジより地味でしたが、
  ラジオ放送を忘れられた存在から、引き戻すという意味では大成功だったといえます。
  テレビのことを、オールドメディアという人がいますが、私は報道能力はいまでも新聞、テレビが、ネットより
  はるかに優れていると思っています。政治とカネの問題では、
  「頭悪いね。質問してもこれ以上、今日は言いませんと言っているじゃないの」と開き直った谷川弥一元国会議員
  のインタビューがピカイチだったと思います。
  地デジをUHFの電波で送信するとか、県によっては視聴できない系列があるというようなことが
  古色蒼然としています。テレビ業界の人にとっては当たり前のことかもしれませんが、ネットですべての
  データーにアクセスできる現状にマッチしていません。
  15年前は、地デジの解像度の2Kに移行することは画期的なことで、将来4Kを経て8Kになるといわれました。
  しかし現在、テレビでもPCのディスプレーでも4Kは当たり前になりましたが、8Kはほとんどありません。
  テレビ業界の人がまだ大丈夫と思って「ぐうたらぐうたら」話しているうちは何も変わりません。
  ラジコが始まったころのAMラジオの危機感を持つことから改革がはじまります。
  
  給付付き税額控除の話も、いくつかの党が、将来導入すべき制度として、あらゆる方面からの検討を
  行っているというのですが、今すぐ実行しようという政党はありません。まずは食料品への消費税をゼロにするとか、
  社会保障全体の改革を推進するとかまず資産状況の把握を進めるなど各党により考え方が異なります。
  所得税法の改正のみですぐに導入することを考えるべきです。
  控除しきれない基礎控除額の10%を給付するというような少額の控除でも、所得税の確定申告あるいは
  年末調整だけで、源泉徴収所得税の還付とあわせて給付がおこなわれるという制度を確立すべきです。
  そして、選挙のたびに数兆円規模の給付が話題になり、防衛費の増額や少子化対策が話題にならない状況を改善すべきです。
  控除しきれない基礎控除額の10%を給付するというのは、所得控除と税額控除の基本的意味づけを検討
  する必要があるとか、年金所得者が有利になるとか、繰り越すほどの雑損控除額があって、
  基礎控除額以外の社会保険料控除や医療費控除も受けられない人に不利になるとか反対意見があると思いますが、
  そこは各党で検討して、選挙のたびに一時的な減税や給付が話題になり実施するための事務経費が税金から支払われるという
  状況を改めるべきです。民間有識者でつくる令和国民会議(令和臨調)は、マイナンバーを活用して個人に必要な給付を
  一括で管理する情報基盤、「ガバメント・データ・ハブ」の構築を提言しましたが、現状で税務署は、
  所得税と法人税の徴収のために、個人の所得と、その個人が関連する、財団法人や社会福祉法人などの
  状況をかなり詳細に把握しています。
  昨年の衆議院選挙で話題になった、4万円の減税に関連して、定額給付金(不足額給付金)の給付は、
  現在各市町村で手続きが始まっています。将来マイナンバーを活用して個人に必要な給付を一括で管理する議論
  をしているより、現在の4万円の減税について、地方自治体の事務手続きなしに、財務省か総務省が
  一括で管理することを考えるべきです。
  いつまで話し合っても結論がでないことを「ぐうたらぐうたら」話すのではなく、
  まず給付付き税額控除の制度をはじめてみるのも有効です。
  
  政治とカネの問題では、いつまでも話し合っていたら皆が忘れるだろうという考え方をあらためて、
  政治活動費の収支に関わる取引はすべてデジタルインボイスによることとするとか、
  クラウド会計システムのダッシュボードを公開して経理、会計の透明性を高めるとか、行政のデジタル化を推し進める
  など、抜本的改革を直ちに実施すべきです。