各種のコラム -- 3ー132 自民党裏金問題、再発防止は可能か?
2024年3月25日
3ー132 自民党裏金問題、再発防止は可能か?
昨年から、自民党派閥の、政治資金パーティーを利用した裏金づくりが問題になっています。
最近、参議院でも 政治倫理審査会が開かれました。しかし、誰がどのような目的で裏金づくりの仕組みを
考え、いつから行っていたかという事実が不明のままでは、再発防止が期待できません。
何のために裏金づくりをおこない、何に使ったのかが、一番知りたいところです。
それから、2022年に、派閥の会長だった安倍晋三元首相の指示でキックバック廃止を一旦は決定したそうです。
政治倫理審査会では、キックバック復活の経緯に関する質問が出ました。それも重要な事ですが、
なぜ、キックバック廃止の指示であって、キックバックの実態を政治資金収支報告書に記載しようという指示で
なかったのかに関心があったのですが、質問はありませんでした。
「裏金づくり」といわれる行為があっても、検察の捜査で問題になったのは政治資金収支報告書に
記載しなかったことです。検察が捜査を行っているので、政治は介入しないというのは、詭弁です。
政治資金収支報告書の訂正報告書を提出したので、自民党として、政治資金収支報告書の不記載があったことは認めています。
そして、会計担当者の事務的な不注意によって発生したと言っています。たまたま一人の会計担当者が不注意でミスをしたのと、
自民党に関連する数十人の会計担当者が一斉に事務的なミスを行ったのではまったく状況が異なります。
会計担当者の採用にかかわる人事的な問題や管理体制に関して、問題をおこした組織自身が何があったかを
調査すべきです。キックバックが政治資金収支報告書への不記載の原因となったのだから、キックバックについて
議論するというのも詭弁です。政治資金パーティーを利用したキックバック以外の合法的な方法での
裏金づくりをすでに考えているのではないかという懸念があります。
「何があったかは話せないが、今後は再発しません。」という姿勢では、政治資金規正法が改正
されても効果は期待できません。一番の、もやもやは、政治家は、裏金づくりをやめる方法を考えているのか、
違法性を指摘されない形で継続する方法を考えているのかが、与党議員、野党議員ともにわからないことです。
2023年11月、鹿児島県屋久島沖で「オスプレイ」の墜落事故が起きました。
「アメリカ軍が調査報告書を発表するまでは詳細は話せない」ということで、何が起きたかはわからないのですが、
飛行が再開されました。いくら防衛省の人が納得したと言っても、どの装置にどのような問題が発生したかの
内容は、調査中なので話せないということでは、説得力がありません。
何があったかは話せないが、再発防止の十分な対策を講じたという話には説得力がありません。
NTT西日本で、10年近くにおよぶ情報漏洩事件が起きました。子会社の元派遣社員によって
顧客データがUSBメモリーにダウンロードされるというありえないような事件だったと共に、
当初の顧客からの指摘に対し、社内で調査したものの、そもそも端末にはUSBの接続ポートがないなどとして、
内部からの漏洩の可能性はないという事実に反する回答したというのが、さらにありえない事です。
2024年3月6日、山形新幹線の東京発下り始発列車「つばさ121号」が郡山駅の停止位置を約500m超えて、
本線まで進入するトラブルが発生しました。
通勤電車でも、時々、停まる駅を失念して、行き過ぎるということがありますが、
新幹線の電車が、本来の停止位置で停止できないというのは、事情が異なります。
通勤電車の場合、前の電車に追突しないための、保安装置はついていますが、すべての駅で所定の位置に停車するための
保安装置はついていません。そこで、停まる駅を失念して、行き過ぎるということがありますが、
新幹線の場合は、駅で所定の位置で停車するための保安装置がついています。作動しても、所定の位置で
停車できなかったというのは、大問題です。
翌日から、「つばさ121号」は、E3系の編成に、E2系の編成を併結しての運転になり、車軸の数が増えるので、
降雪があっても、すべりにくくなります。
東北新幹線では、2014年2月に東北新幹線盛岡発東京行き「はやて102号」が雪の影響でブレーキが利かず、
新花巻駅で300メートル過走。2022年12月には「つばさ159号」が今回と同じく郡山駅下りホームで
160メートル過走しています。2022年にも、E2系の編成を併結して運転する対策がとられました。
E3系にかわって新しく登場する、E8系には、台車に融雪ヒーターがついています。
E3系では、降雪の状態により、ブレーキの効きが悪くなる課題が認識されていて、E8系では対策
がとられているということで、一応納得できますが、他の編成でも、何かの状態で所定の位置で
停車できないということが起きるのではないかという懸念は残ります。
機械装置に特別に測定装置をとりつけてデーターを取得するという形態から、現在では、初めから
機械装置に多くのセンサーが取り付けられていて、常にデーターを取得するという形態になっています。
取得した多くのデーターを人間が確認するのはたいへんです。異常値がないかどうかだけでなく、
AIを使って、機械装置が稼働している時の稼働状態が、設計した時に想定した状態と同じかどうかを
分析するようになっています。
スポーツの分野でも、多くのセンサーを使って、常にプレー中のデーターを取得するようになっています。
ニュース番組で見たのですが、メジャーリーグの野球では、投手が投げるボールの速度やコースや回転を
常にモニターしていて、当日の特定の投手のボールをピッチングマシーンで再現して、
試合中に打撃練習するレベルでデーターが利用されているそうです。
この装置を使うと、大谷投手の球を、大谷選手が打つというリアルでは絶対にできない
練習も可能です。自分の投球がバッターにどのように受け取られているかを自分で体験することができます。
自民党裏金問題に話を戻しますが、
裏金問題以外でも自民党には不祥事が続いており、テレビで報道する時は、
「この主人公は1986年から時空を超えて来たため、現在では不適切な発言を繰り返します。
言語表現の時代による変遷を描くというこのドラマの特性をご理解の上ご鑑賞下さい」というテロップを流すほうが
良いような状況です。1990年代に大蔵省でも問題があり、省庁改革で、大蔵省を財務省にし、金融庁を新設するという
改革が行われましたが、30年経っても、自民党では同じようなことが起きています。
自民党裏金問題で地に落ちた、政党支持率を劇的に改善する秘策があります。
日銀が保有するETFがあります。購入原価で37兆円、時価では70兆円近い資産です。国民ひとりあたりで、
50万円位になります。これを定額給付で皆に配ります。
1年に現金化できるのは10万円が限度にすれば、株価が下がる心配もありません。
預金から投資へという流れにも合致します。
クソ眼鏡減税より、経済活性化の効果も政権支持率改善の効果も大きい方法です。
そして、国会議員の人にももちろん給付しますが、使いみちを政治資金の透明化に資するための支出に限定し、
支出の報告書の提出を義務付けます。
国会議員、各人が、どういうことをすれば、政治資金の透明化が可能になると考えているかが、明らかになります。