列車ダイヤについて -- 3ー104 チュナーレステレビについて考える
2023年4月10日
3ー104 チュナーレステレビについて考える
地デジ放送や、BS・CS放送を受信するためのチューナーがついていない、チューナーレステレビが話題になっています。
Android TVなどのOSが入っていて、インターネット回線を接続して、
「YouTube」「Netflix」 「Amazon Prime Video」などのサービスを契約して
動画を視聴することができます。
4Kの40インチ位の画面で、3万円位で販売されています。
地上波のテレビも、アンテナを接続して地デジ放送のテレビで視聴するのではなく、TVerなどのサービスで
視聴する人が増えてきています。
テレビ放送についてかかわったこともないし、それ程深く考えたこともなかったのですが、
北関東の県の県堺に近い場所に住んでいたために、地デジ放送の開始に伴って、難視聴地域になったことで、
テレビ放送のあり方について考えるようになりました。従来のアナログ放送のVHFの電波は、東京タワーからの
電波をそこそこのレベルで受信できていました。お金をかけて地デジ放送を行う意義についていろいろな人が
話しているうちに、北関東3県を従来の関東広域放送から、県域放送に変更して、地域に密着した放送を行う
ことになりました。NHKのニュースは地域放送の部分の内容が変わりました。
民間放送については、新しい放送局ができたわけではなく、放送の内容も基本的に変更はありませんでした。
画質は良くなりました。しかし、デジタル放送は、画質が下がった時、ノイズが入るだけでなく、まったく受信できなく
なることがあります。テレビのアンテナ工事に来た人から聞いた話ですが、県域放送は、隣の県では受信できないように
電波を出すので、県堺付近でも受信が困難になることがあって、それを防ぐために、県堺の場所から、県の内側向きに
弱い出力の中継局をつくって電波を出すのだけれど、県堺から少し離れた場所で、放送局からの電波も中継局の電波も
届かない所ができたり、両方の電波が干渉する地域ができて、難視聴の地域が発生するそうです。
関東広域放送でも、県域放送でもいいから、見たい時にテレビが映れば良いのですが、途切れると困ります。
野球の中継で、9回裏の逆転ホームランの場面だけ電波が途切れたら、24時間のうちの10分だけは問題が発生したが、
99.3%のサービスは正常に行われたでは満足できません。
総務省の事業で、難視聴解消の対策が行われ、補助金が出て、背が高い素子の多いアンテナに変わりました。
それで、正常にサービスが受けられる割合が、99.3%から、感覚的に99.8%位にはなりましたが、100%には
なりませんでした。背が高い素子の多いアンテナは風に弱いこともあって、壊れたのを機会に、自前でお金を払って、
ひかりテレビを契約しました。毎月利用料を払う必要がありますが、地デジ放送や、BS放送をアンテナ無しでリアルタイムで
視聴できます。ひかりテレビを契約すると、専用のチューナーを購入するかレンタルで取得して、テレビに接続して
視聴します。専用のチュナーは、Android TVのOSの上で、ひかりテレビのアプリが動いていて、
ひかりテレビのアプリを起動するかわりに「YouTube」を見ることもできます。また、契約すれば、
「Amazon Prime Video」なども視聴できます。
それなら、Android TVのチューナーレステレビを買って、ひかりテレビを契約して、アプリを導入すれば、
ひかりテレビのサービスが利用できるかというと、それはできません。
Apple TVアプリを導入して視聴することもできません。Android TVのOSには、
Apple TVアプリは導入できません。SafariのブラウザーでApple TVを視聴することはできるのですが、
あまりやっている人をみません。40インチのテレビでも、携帯でも、不思議とテレビは全画面表示で
見ている人が多いような気がします。
テレビは家電の王様と言われ、一時期は日本の代表的な輸出製品でしたが、今は様変わりしました。
白黒テレビやカラーテレビは、今でも家で初めて買った時のことを覚えている人がいる位、劇的なことだったようですが、
地デジ放送開始の際に、事前の宣伝では、すごいことが始まるのかと思った割には、あまり変わらなかった
という印象でした。画質は良くなりましたが、文字放送や双方向通信は、ほとんど利用していません。
何が技術の中心になるかを日本全体が見誤ったような気がします。BS4Kや画質の良い大画面の薄型テレビは、
それなりに技術的にすごいのでしょうが、新しい大きな流れを作ったのは、Android TVのOSのような、
インターネットで動画を視聴する技術と、Netflixのような、コンテンツを制作して、サブスクで、配信するサービス
でした。AlexaやClovaのように、サービスを縮小している、スマートスピーカーのサービスもあるので、
新しいコンテンツサービスを定着させるのは容易ではありません。
公正取引委員会が調査を始めるというくらいなので、「Amazon Prime Video」などが成功した
サービスなのは確かです。日本は、放送局が番組を制作し配信するというしくみを維持するのが当然と考えたことで、
時代の流れに遅れたのだと思います。
テレビ放送からネットメディアに移行しているというほど単純なことではありません。
ネット広告も、最初は、自分の興味に関連するような広告が掲載されるし、広告を見るか見ないかを自分で
選択できるので、良いと思ったのですが、最近は邪魔な広告が増えています。掲載面積が広かったり、
記事を読んでいる横で動画が動いていて迷惑な広告です。ユーザーがどのような情報や番組を見たいのかの
基本にもどって見直してみる必要がありそうです。
書店の閉店が問題になっています。本について造形が深い、本屋の店主の人が居る場所や図書館は貴重で、
街の中心として維持してほしいと思います。しかし、20年前位から、IT関連の人の間で、Javaの本が並んだ棚に
JavaScriptの本が置いてあるような本屋なら、Amazonで探したほうが良い本が見つかると言っていたのも
事実で、ITの本について造形が深い人にはあまり本屋で会ったことがありません。
新聞も、宅配のための別会社の新聞販売店があって、ほとんどの人が1社の新聞を紙で購読するという形態にこだわったことで、
時代の流れに遅れたのだと思います。朝のテレビ番組で新聞読み比べのコーナーが定番のように、各紙を読み比べ
たい人や、その日の話題のニュースによって買う新聞を変えたい人は多いです。
ネットで無料の記事だけでよいから、各社の新聞を読み比べしたいというニーズに
もっと積極的に対応していれば、新聞も今とは異なるかたちで営業拡大できたのではないかと思います。
取材対象の人と、取材する人と、記事を読む人との関係が基本で、間にはいる新聞販売店や、輸送する人や
配達する人は、重要な仕事であっても、あくまで、記事を読む人の希望がどこにあるかを中心に
事業形態を時代に応じて変化させていくべきだったと思います。
関連する法律についても、法律がどうなっているからという考え方ではなく、勝手に法律違反をしてはいけませんが、
法律自体は、時代の要請によって改定していくべきものだと思います。
放送事業者は別として、一般にテレビを視聴する人で、これは通信ではなく、放送だと考えて利用している人はわずかです。
インターネットの動画配信は、電気通信事業法に基づいて行われ、地デジ放送や、BS・CS放送は放送法に基づいて
行われていることは一般にテレビを視聴する人にはあまり関係なく、多くの人が関心があるのは、
どのような人が出演するか、どのような種類の番組かです。
最近、放送法に関する議論で、政治的に公平な放送の定義が話題になりました。
重要な議論ですが、地デジ放送や、BS・CS放送は公平な放送でないといけないが、TVerなどのネット配信なら、
不公平でかまわないということではありません。実態は、ネット配信でも誰が行うかによって、公平性の期待のレベルが
異なります。個人で行うネット配信なら、誰かを抽象誹謗してかまわないということではありませんが、
色々な政党の意見を時間的な公平性をもって配信しているものではなく、ひとつの政党の意見を紹介するものであっても、
特定の市町村や、ごく一部の地域の課題について配信するものでも、そのような全国的な放送では話題にされないような
ことをについて、他の人がどのような意見をもっているかを聞きたいという人も居ます。
放送法が最初に施行されたのは、1950年です。もちろんインターネットの商用サービスは存在しない時代です。
放送法第2条の1では、「「放送」とは、公衆によつて直接受信されることを目的とする電気通信の送信をいう。
と定義されています。また、同2で、 「基幹放送」とは、電波法の規定により放送をする無線局に専ら又は優先的に
割り当てられるものとされた周波数の電波を使用する放送をいう。
と定義されており、放送局は、無線局の免許状を定期的に更新しています。
放送法、電波法の区分や規定が、時代に合わないのではないかと思います。
もちろん放送法第1条の2 「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」
などのように、今でも変わらないと思う部分も多くありますが、
インターネットの普及によって、個人でも、公衆によつて直接受信されることを目的とする電気通信の送信が可能になり、
固定電話が想定されていた電気通信が、ひかりファイバーによるインターネット通信網や電波を利用する携帯電話
によって行われるようになった現在、放送法、電波法、電気通信事業法の、通信形態にかかわる部分は、
利用者の利益を保護し、電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り、公共の福祉を増進する観点で見直す必要が
ある部分が多くあると思います。あわせて過去の放送番組の記録を有効に活用する観点から、
著作権法についても見直す時期だと思います。
法律が時代に即したものになっていないと、いろいろな弊害があるのは、他の分野でも見られます。
例えば、鉄道事業法は1987年に施行されたので比較的新しいのですが、それ以前の地方鉄道法には、
第二条 地方鉄道ハ人力又ハ馬力其ノ他之ニ類スルモノヲ以テ動力ト為スコトヲ得ス
(地方鉄道は、人力馬力その他これに類するものをもって、動力なすことを得ず)
という規定がありました。燃料電池を動力とする車両を開発しようとする時、動力に関する
法律の条文はすべて参照して問題が無いことを確認する必要があります。
もし、このような条文が今存在したら、大変です。
また、軌道法には、これは今も有効ですが、
第二条 軌道ハ特別ノ事由アル場合ヲ除クノ外之ヲ道路ニ敷設スヘシ
(軌道は、特別の事由有る場合を除くの外、これを道路に敷設すべし)という規定があり、
市内電車を鉄道会社の私有地である駅前広場に乗り入れようとすると、この法律を考慮して、申請する
必要があります。
新たに法律を制定したり、現行の法律を改定する時、他の法律と矛盾する点が無いかなどの確認には、
ChatGPTなどのAIも活用して、もっと効率的に法律を策定する方法を考える必要があるように思います。
20世紀には、役人主導で法律の条文が作られ、政策も決定され、
堺屋太一さんが、沖縄開発庁那覇事務所に着任した時、プロ野球の沖縄キャンプを定着させたなどの
ヒット作もありましたが、政府のことより各省庁の省益を優先し、民間会社との癒着で、とくに退職後に天下りした
個人の利益を優先する姿勢が批判の対象になりました。
21世紀になって、官邸主導が優先され、政策の決定が早くなったなどの良い点もありましたが、
官邸の政治家の個人的な判断が優先され、中央省庁の役人が国会答弁などの資料作りに時間をとられ、
本来の企画などに時間を使わなくなりました。
法律は、中央省庁の役人や、各省庁の大臣や内閣府の政治家が作るのではなく、国会議員が
選挙で選ばれた代表として、作成するのが基本だと思います。政治家は、選挙で選ばれないと身分を失うので、
組織票が期待できる団体の意見を無視できないのも事実ですが、やはり国会が立法府という
基本に基づいた運用を行うべきです。
最近の日本の政策決定の過程をみていると、関係者の合意で突然決まったり、広く一般の人に
意見を求めれば、異なる結論になっただろうというものがあります。
COP27の国際会議の場でも、日本は、石炭火力発電のCO2発生量を減少させる対策を
世界に普及させると言いましたが、素人が考えても絶対に受けいれられないと思えるもので、
なぜあのようなことを言ったのだろうと思います。
日本国内で、関係者だけで議論していたら、納得できる落とし所に見えるのかもしれませんが、
どうにも受け入れらないだろうという一般の人の感覚が反映されるような、政策の決定過程に
しなければなりません。
石炭火力発電のCO2発生量を減少させる対策を世界に普及させるといっても、ジャイアンがリサイタルを
するにあたって防音壁を設置しますといっているのと同じで納得がえられません。
「声紋キャンデー」のような道具をだすのであれば、それなりに注目されるかもしれません。
ドイツが一転して内燃機関の自動車の販売を許可すると言い出しましたが、自国の産業の保護を考えているにせよ、
合成燃料のクルマなら実質的なCO2発生量がゼロだからという、理論的説明がありました。
このような提案をしなければなりません。
来年から、新東名高速道路の一部で自動運転レベル4の実験が始まります。
いろいろなデーターをとって、世界をリードできるような自動運転のやり方を提案すべきです。
運転手が乗ったままの方法や、トラックは無人で遠隔地から監視する方法などを試すだけでなく、
トラックを降りた運転手が、近くの営業所で仮眠して、翌日の昼間のトラックを運転して
出発地に戻ってくるなど、運転手の労働時間の管理についても多角的に検討すべきです。
宅配便の配達時間の時間指定などいろいろなサービスは検討されていますが、
配達日だけでなく、配達時間を30分単位で通知するという、出来れば、受け取る人に便利で、
在宅率が上がって、配達する人にも便利だろうと思うサービスが、一見出来そうで、実現しません。
対面で手渡しにこだわるより、むしろ無人の場所に配達する方法を考えるほうが、業務の効率化に
繋がるのかもしれません。
自動運転レベル4の実験で使う可能性が有る、遠隔地から監視ですが、現在のクルマでも広く試してみるべきだと思います。
積雪で何十台何百台のクルマが閉じ込められることがあります。
遠隔地から監視していれば、渋滞で止まっているのか、雪に閉じ込められているのかは、わかるのではないかと思います。
コンビニの配送のトラックなどに遠隔地から監視の仕組みを実装して、雪に閉じ込められているとAI
が判断したら、道路の案内や個別のクルマへの通信で、前に進むのをやめて、
手前の道の駅やコンビニの駐車場に駐車するように指示します。食料や水の供給は可能ですし、
雪に閉じ込められて道路に停まっているクルマの数が少なければ、後ろから救援のクルマが近づいて、
復旧活動ができるかもしれません。毎年のように起きるクルマが雪に閉じ込められるという災害を
解決する手段を検討することで、自動運転の技術も大きく進歩するかもしれません。
エスコンフィールド・北海道ボールパークがオープンしました。しかし、新しい千歳線の駅が同時に開業
しなかったのはがっかりです。工事費が2兆円の北海道新幹線の工事が20年かかるとしたら、工事費が100億円
の新しい駅の開業なら、1ヶ月で出来ます。(ウソです)
札幌から15分、新千歳空港から20分の位置なので、ボールパークと一体の「あっというような」駅を
つくれば、日本じゅうの人や世界じゅうの人に、JR北海道や街を宣伝することができます。
国道や高速道路の整備も、国道のバイパス工事と2車線の暫定の高速道路の整備が同時に行われることがあります。
2車線の暫定の高速道路は最高速度が70キロなので、国道のバイパス工事だけで良いから、
早く完了してほしいと思うのですが、渋滞するような箇所が最後まで開通しません。
現状や現行の規定にこだわることなく、新しいやり方や改善方法を考えて、何に投資するかを考えることで、
何年か後に見れば、大きな変化だったというような状況が生まれると思います。