列車ダイヤについて --  2ー47 改めて、車内清掃の時間について考察する。

                                      2024年3月25日  

    2ー47 改めて、車内清掃の時間について考察する。 
    
   列車がホームで折り返す時の、車内の点検整備(車内清掃)の時間は、セブン・ミニッツ・ストリーで有名になりました。
  東海道新幹線の東京駅では、車内清掃を10分で行って、列車が15分で折り返していますが、2024年のダイヤ改正で、
  12分で折り返す列車が登場しました。そこで、改めて、車内清掃の時間について考察してみます。
  20時12分に19番線に到着する、「ひかり660号」が20時24分発の「のぞみ475号」として折り返します。
  「のぞみ475号」は臨時列車なので、回送列車になる日もあります。また、「ひかり660号」が15番線到着に変更になって、
  20時27分発の「こだま757号」として、折り返す日もあります。
  確認している範囲では、12分で折り返すのはこの列車のみです。
  
  2019年度までは、東海道新幹線の列車の運転間隔は、3分15秒でした。3本で9分45秒になるので、
  1回だけ3分30秒間隔にして、10分で3本の列車を運転していました。1時間で18本ですが、4本は、
  回送列車か三島行などの「こだま」に限られるので、昼間は、「のぞみ」が10本、「ひかり」が2本、
  「こだま」が2本、夕方になると、三島行などの「こだま」が1本追加されて、最大で15本の営業列車を運転していました。
  車内清掃の時間は、12分間で、列車が16分45秒で折り返し、3分15秒すると、次の列車が到着しました。
  2020年度から、「のぞみ」12本ダイヤを実施するため、列車の運転間隔を、3分0秒にしました。
  1時間で20本ですが、同じ理由で、昼間は、「のぞみ」が12本、「ひかり」が2本、
  「こだま」が2本、夕方になると、三島行などの「こだま」が1本追加されて、
  最大で17本の営業列車を運転しています。
  運転間隔を、3分0秒にした時、都合が悪いのが、20は3で割り切れないことです。そこで、60分を21分、21分、
  18分に区切り、車内清掃の時間を、10分間に短縮し、列車は15分で折り返し、6分または3分後に、
  次の列車が到着しています。ひとつのホームで1時間に3本の列車が折り返しています。
  車内清掃の時間を、7分間に短縮し、列車は12分で折り返し、3分後に次の列車が到着することにすれば、
  1時間に4本の列車が折り返すことができます。
  「のぞみ」の運転本数を増やすことは出来ませんが、三島行の「こだま」であれば、あと4本追加して、
  1時間あたり、20本の列車を運転することが可能かもしれません。
  ホームでの折返しは、2本のホームで15分間隔にすれば、20本の列車が折り返す事ができます。
  8月中旬には、熱海で「こだま」から、通勤電車なみの多くの人が降りてきて、停車時間が伸び、
  熱海は退避線が無いので、後続の列車も遅れることがあります。昼間に臨時の「こだま」を
  最大4本運転すれば、混雑が緩和します。
  「こだま」が4本追加になって、10分間隔の運転になれば、東京〜小田原間で、東海道線を利用している人が
  東海道新幹線の利用に移ってくる可能性があります。東海道線で1時間30分かかるのが、東海道新幹線で
  30分余りで移動できるのは魅力です。
  
  東北新幹線の東京駅は、7分で車内清掃し、列車は12分で折り返し、3分後に次の列車が到着して、一つの
  ホームで4本の列車が折り返しているかというと、そうではありません。列車の運転間隔が4分です。
  それなら列車が11分で折り返せば良いかというと、そうはいきません。
  列車の運転間隔が4分なら、1時間で運転できるのは、最大15本です。そこで、上越新幹線や北陸新幹線の列車で、
  11分30秒で折り返し、3分30秒後に次の列車が到着することで、15分間隔でホームを利用しています。
  このように、ホーム設備と、列車の運転間隔と、車内清掃の時間のバランスがとれていることが重要です。
  
  「ただいま、三河安城の駅を定時で通過いたしました。あとおよそ8分で名古屋に到着します。」
  「のぞみ」に乗っていると、この車内放送をよく聞きます。それでは、「こだま」は、
  三河安城から名古屋まで、何分で走っているのでしょうか?
  だいたい10分で走っています。意外と速いです。東海道新幹線のすべての列車がN700系になって速くなりました。
  「こだま」が速くなっているという実感がないのは、「のぞみ」の待ち時間が長くなっているからです。
  しかし、これは遅いという「こだま」が少数ですが存在します。そのひとつが「こだま757号」です。
  
    「こだま757号」のダイヤ    
  
  「こだま757号」の、ダイヤをみると、他の列車より、遅い、ということがわかります。   三河安城から名古屋まで、15分かかっています。   東海道新幹線では、非常にめずらいい状況です。なぜ、遅いのでしょうか。   そこで、「こだま757号」が名古屋駅に到着する前の状況を見てみます。   
    「こだま757号」が到着する前の、名古屋駅の状況    
  
  三河安城の駅で、「こだま757号」を追い越した、「ひかり665号」が、23時4分に名古屋駅に到着しています。   昼間であれば、三河安城の駅で、名古屋行きの「こだま」を、岡山行の「ひかり」と新大阪行の「のぞみ」が追い越します。   そして、追い越した、岡山行の「ひかり」が名古屋駅の16番線を使用します。   1分30秒停車で、出発するので、その後、名古屋行きの「こだま」が使用します。   「ひかり665号」も、三河安城の駅で、「こだま757号」を追い越すことは同じなのですが、   名古屋が終点なので、しばらくホームに停まっています。そこで、「こだま757号」がゆっくり走って   「ひかり665号」が名古屋車両所に回送するのを待つ必要があります。   それなら、「ひかり665号」を名古屋駅の17番線に停めればと思いますが、17番線からは名古屋車両所に   回送できないので、「ひかり665号」も「こだま757号」も、名古屋駅の16番線を使用する必要があります。   ホームの両方の線路から列車を車庫に回送できるか、片方の線路からしか回送できないかで、ダイヤに大きな   影響があります。        列車が秒単位で正確なダイヤで運行する必要が有るかということが話題になります。生活のあらゆる事を秒単位で   管理する必要はありませんが、列車の運行は秒単位で正確な方が良いと思います。   明治の終わりから大正の初め頃に、日本の鉄道は正確なダイヤで運行するようになりましたが、   利用者の利便性の向上と並んで、大きな理由が安全性の向上でした。   ダイヤに従って走っていれば、列車同士の衝突は起きないように、ダイヤは作られています。   現在では、保安装置が発達しているので、列車が遅れたことが事故につながることはありませんが、   単線区間に2本の列車が侵入するなどのインシデントの引き金が列車の遅れということは今もあります。      生成AIがいろいろな分野で使われるようになっています。しかもスマート・フォーンの時のように、   一部の人の遊び道具という扱いではなく、日本でも、開発が始まっています。   生成AIに関する広島AIプロセスが立ち上がるなど、世界をリードする動きが見られます。   IT分野は、20世紀の、互換機路線や多言語サポートの頃から、   日本が追いついたと思ったら、ゲームのルールが変わっていたということがしばしばあります。   それも、スキージャンプでユニフォームのデザインが変わったというレベルではなく、   スキーがスノーボードに変わるような変更が、たいていアメリカから始まります。   アメリカやEUで行っていることを、日本単独で行うアプローチに無理があるかもしれません。   東南アジアの国々との連携も必要です。   しかし、今回は、Sakana AIのように、進化的モデルマージという手法で、トレーニングの過程で   Backpropagation(誤差逆伝播法)が不要で、大幅に短時間で基盤モデルの開発が可能になる   方法も提案されています。優れたものと優れたものを掛け合わせると本当に優れたものができるのか。   もっと突然変異などを考慮する必要があるのではないかという気もしますが、   マグニフィセント・セブンを逆転して、日本の企業が先頭に立つ時代がくるかもしれません。      さらに、特定分野の学習済みのAIを広める事も、日本に適していると思います。   20世紀には、日本の品質管理技術を世界に広めようとして、日本人だから可能だというような発言が   ありましたが、冷静に考えて、世界で受け入れられるわけがありません。   学習済みのAIモデルを現地に合わせてカストマイズした物を広めるのが適しています。        生成AIでは、事前学習あるいは特定分野に特化した事後学習が話題になりますが、   実際に各種の分野に応用するには、学習(トレーニング)だけでなく、推論(inference)を   いかにリアルタイムで少電力で行うかも大きな課題です。   そして、稼働後もさらなるシステムの改善をめざすための学習データーも、   推論のシステムで収集する形になることが多くあります。   FPGAの回路を推論に使うとか、オープンソースのRISC−Vのアーキテクチャーのマイコン   などを日本の得意分野にするというやり方もあります。   以前、「一番じゃなきゃダメですか?」という質問がありましたが、IT分野は、二番ではダメのように思います。   「鶏口となるも牛後となるなかれ」という考え方で、特定の分野の一番になるほうが、利益につながるような気がします。   以前、地震があった際、めだった被害はなかったが、壁ぎわに置いていたゴルフバッグが、   上下逆さまになっていたという話を聞きました。ゴルフクラブはヘッドのほうが重いので、突き上げられて   空中に浮けば、ヘッドの側から落ちるということはあるでしょうが、実際に起こる前には意外と専門家でも   予測できないものです。   車内清掃の時間も12分にして、1年間データーをとることで、問題ないかあるいはどのような課題があるかが、   明らかになります。